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重修本草綱目啓蒙
二十八下/湿生虫
蝦蟇〈○中略〉
かじかは、山谷清流に住む、京師川々に甚多し、就中八瀬の産、名あり、形雨蛉より微大にして、瘠て腓癗(いぼ)あり、色黒し、又褐色にして黒斑あるものもあり、更ごとに石上に出て鳴く、一箇鳴けば、挙族みな鳴く、その声小にして清く、抑揚多し、七遍反すものお上とす、好事の者、生虫お以て畜ふ、〈○中略〉増、かじか、一名やまがへる、 たにがへる(○○○○○) いでのかはず(○○○○○○)とも雲ふ、手足の指頭に玉の如く円に泡たるものあり、取て池中に放てば、他のかはず鳴かずと雲ふ、