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古今著聞集
五/和歌
和泉式部おとこのかれ〴〵に成ける比、貴布禰に詣でたるに、ほたるのとぶお見て、
ものおもへば沢のほたるも我身よりあくがれいづる玉かとぞみる、とよめりければ、御社の内に忍たる御声にて、
おく山にたぎりておつる滝津瀬の玉ちるばかりものなおもひそ、其しるしありけるとぞ、