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重修本草綱目啓蒙
二十七/卵生虫
地胆 にはつづ〈和名抄〉 つちはんめう(○○○○○○)
舶来なし、山中土内或は原野石間に居り、時時出行く、長さ一寸余、闊さ三四分、色黒くして碧光あり、背上に短翅あり、飛ぶこと能はず、凡そ斑蝥、芫青、葛上亭長、地胆の四虫、その種自ら別なり、而るに本一虫にして、時により所によりて名お変ずと雲説は甚だ誤りなり、
増、地胆は斑猫の類にして、行夜(へひりむし)に似たり、昼は蟄して、黄昏より地上に出て疾行す、形痩て黒色、脊に蛍の如き堅き羽あり、尾の端に微しく赤斑あり、希なるものなり、