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枕草子

みのむしいとあはれなり、おにのうみければ、おやににて、是もおそろしき心ちぞあらむとて、おやのあしき衣おひききせて、いま秋かぜふかんおりにそこむとする、まてよといひおきていにけるお、さもしらず、まことかとて、風のおとおきゝしりて、八月ばかりになれば、ちゝよちゝよとはかなげになく、いとあはれなり、