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重修本草綱目啓蒙
二十七/卵生虫
蛺蝶 てふからてふ(○○○○)〈古歌〉 ちよてふ(○○○○)〈京〉 てふ〳〵(○○○○)〈江戸〉 てふこ(○○○)〈阿州〉 かつかべ(○○○○)〈南部〉 ていこうな(○○○○○)〈津軽〉てこな(○○○) かヽべ(○○○)〈共同上〉 はへる(○○○)〈琉球〉 てふまべつ(○○○○○○○)とう〈越後〉 あまびら(○○○○)〈信州〉 かばびらこ(○○○○○) てふ〳〵べこ(○○○○○○)〈野州〉 へらこ(○○○)〈秋田○中略〉
蛺蝶は春夏秋の間飛翔し、草木の花お吸ふ、菜花上殊に多く集る、一身四翅、翅の大さ八九分にして粉あり、色白き者お粉蝶〈泉州府志〉-雲、色黄なる者お黄蝶〈同上〉と雲、又黒お雑るあり、皆油菜葉の上或下に繊小の黄卵お生ず、数日の後化して小長虫-なる、〈○下略〉