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古事談
一/王道后宮
京極大相国〈○藤原宗輔〉被飼蜂之事、世以称無益事、而五月比、於鳥羽殿、蜂栖俄落て、御前多飛散ければ、人々もさヽれじとて、にげさわぎけるに、相国御前に枇杷の有けるお一総とりて、ことづめにて、かはおむきて、さしあぐられたはければ、蜂あるかぎりつきて、ちらざりければ、作付召共人、やはら捨けり、院も賢く宗輔が候てと被仰て、令感御けり、