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関の秋風
蠅てふ虫は、またなくにくし、昼ねの夢妨ぐるは、怠りお諫むるともいふべければ、咎めむやうもなし、たゞ書なんど見、画なんどかくころ、顔のあたりに二つ二つとまるお、おひやれば、しばしかなたへうつり、また飛来り飛去り、はては友多くつどひて闘諍し、あるはえもいはぬふるまひいと狼藉也、