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平家物語

文覚の荒行
そも〳〵この文覚と申は、〈○中略〉六月の日の草もゆるがず、てつたるに、あるかた山里のやぶの中へはいり、はだかになり、あおのけにふす、あぶぞ蚊ぞ、はちありなどいふどくちうどもが、身にひしと取付て、さしくひなどしけれども、ちつとも身おもはたらかさず、七日まではおきあがらず、