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皇都午睡
三編下
夏中金魚の餌とする物お、江戸にてぼうふらと雲ふ、京摂にいふ孑々にあらず、孑孑は俗にどんぶりと雲ふ、壬生狂言の棒ふりに似たるゆえ雲か、いはゞ上方に桃鬼灯といへる虫に似たり、此もゝほうづきの名義解らず、桃の如く甘みありて、鬼灯の如く苦みありて雲か、金魚ならねば味わかるまじ、隻色の薄赤きゆえ桃鬼灯と呼か、識者の考おまつ、