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源氏物語
五十二/蜻蛉
あやしうつらかりけるちぎりどもお、つく〴〵と思つゞけ、ながめ給夕暮、かげろふの物はかなげにとびちがふお、
ありとみて手にはとられずみれば又行衛もしらずきえしかげろふ、あるかなきかのと、例のひとりごち給とかや、