[p.1161][p.1162]
東雅
二十/虫豸
螽蟖いねつきこまろ 蚱蜢いなこまろ 螇蚸ばた〳〵 倭名抄に見えし所の如きは、〈○中略〉其注せし所の如き、相混じて分ち難し、古にいねつきこまろといひしものは、即今いふ所のいなごといふ此れ也、古にいなごまろといひしものは、即今いふしやうづやうむしといふ此れ也、古にはた〳〵といひしものは、今もまたはた〳〵といふ也、そのいねつきこまろといふものは、爾雅の阜螽は、蠜とみえしものにして、即これ蝗也、いなごまろといひしは、爾雅の土螽は蠰谿、注に似蝗而小青斑又呼蚱蜢といふもの也、ばた〳〵といひしは、爾雅の蟿螽は螇蚸、注に似蚣䗥而細長、飛翅作声者此也、