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夫木和歌抄
十四/虫
延喜七年亭子院御門御時、西河行幸せさせ給けるに、忠峯〈○壬生〉新和歌序雲、ひるはひぐらし虫おもとめ、夜るはよもすがら、そうのこえおとゝのへしめ、あるときには、山のはに月まつむし(○○○○)うかゞひて、きむのこえにあやまたせ、ある時には、野べのすゞむし(○○○○)おきゝて、谷の水の音にあらがわれと雲々、