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重修本草綱目啓蒙
二十八/化生虫
蚱蝉〈○中略〉
蝉蛻は〈○中略〉 せみのぬけがら〈○中略〉 蠐螬の土中にて、蛹となるお腹蜟と雲、俗名、にしやどち(○○○○○)〈京〉にしむけ(○○○○)〈阿州〉 うばむし(○○○○)〈芸州○中略〉 その形蚕蛹(ひいる)に異ならず、指にて摘むときは、、腰以上お左右に揺かす、故に西はどちと雲お転じて、にしやどちと雲ふ、夏月土中にて復蜟より蛻し、蝉形となり、土お出て樹木の根上一二尺許升る、此時頭足皆備れり、未だ羽あらず、数日の後、皮お蛻して三五尺も上へ升る、〈○中略〉その後日お経て、再び皮お蛻し、全形となり飛び去る、