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異本枕草子
七月十よかばかりの日ざからのいみじうあつきに、おきふしいつしか夕すゞみにもなりなんと思ふほどに、やう〳〵くれかたになて、日ぐらしのはなやかになきいでつる声ききつるこそ、物よりことにあはれにうれしけれ、