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異本枕草子
六月廿日ばかりに、いみじうあつきに、せみの声のみたえずなきいだして、風のけしきもなきに、いとゞこだかき木どものおほかるが、木くらくあおきなかより、きなる葉のやうやうひるがへりおちたるこそ、すゞろにあはれなれ、