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古今著聞集
六/管絃歌舞
前筑前守兼俊、殿上に笙吹なきによりて、昇殿お免さるべきよし沙汰有けり、先試有ける日、きさき笙お給ひて、ふかせられけるに、用心なくして、吹出しける程に、管中に、平蛛(○○)の有けるが、喉にのみ入られにけり、むせてはつきまどひける程に、主上群臣も笑ひ給て、腸お断けり、