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栄花物語
三十五/蛛のふるまひ
その〈○源憲定〉おはしましける御帳のうちに、くものすおかきたりければ、
わかれにし人はくべくもあらなくにいかにふるまふさゝがにそこは、御返し宰相のきみ、
きみくべきふるまひならねさゝがにはかきのみたゆるこゝちこそすれ