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重修本草綱目啓蒙
二十八下/湿生虫
蝸牛 かたつぶり(○○○○○)〈古名〉 まいまいつぶり(○○○○○○○)〈江戸○中略〉 でヾむし(○○○○)〈京○中略〉へびのてまくら(○○○○○○○)〈仙台〉 へびのたまくら(○○○○○○○) つのだしむし(○○○○○○)〈共に同上○中略〉
冬月は石間或は土中に蟄し、寒お避く、春雨お得れば、はひ出て、草樹に上る、天晴るヽ時は葉下に隠れ懸り、雨ふる時は出、縁りて新葉お食ふ、殊に香草お嗜み、嫩芽お害す、梅雨中卵化して、一二分の大さなる蝸牛多く出、最嫩苗お害す、その形篇螺(したヾみ)の如くにして、殻薄く砕け易く、〓なし、行く時は形蛞蝓の如くして、殻お背上に負ひ、頭に両角お出す、故に蝸牛と名く、〈○下略〉