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壒囊抄

あなかしこと雲は、何なる事ぞ、〈○中略〉
上古は、和漢共に、未だ舎屋に居する事お知ざりし時は、人々土の窠に居せしかば、恙虫(つヽがむし/○○)と雲物有て、螫人故に、土の穴賢く閉塞ぎて、恙虫お可防と雲詞也、〈○中略〉土窠の穴賢く閉て、窠の、中に恙虫無して、不螫(はさヽ)安穏也と雲心也、仍て安穏無為なる事お、無恙と雲へり、