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重修本草綱目啓蒙
三十/附錄
魚膾 なます 一名紅生〈文、公家礼儀節〉 打生〈訓蒙字会〉 魚肉生〈五雑組〉
脂少き魚の鮮なるお切り、酢お以て食ふ、故になますと雲ふ、薄く切ること細きお厭はず、其細く切て長く引糸の如きおさしみと雲、又大に切もあり、細なる者お膾と為し、大なる者お軒(さしみ)と為、大抵膾は酢お用ひ、軒は熬酒お用、或互用す、本邦のなますに、萊菔越瓜の類お細く切て、魚肉に雑るは非なり、膾は魚肉のみに醋お加ふるなり、訓蒙字会に、羹以菜為主、〓以肉為圭と雲、正字通も亦然り、