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東雅
十七/鱗介
鮒魚ふな〈○中略〉 万葉集には吉魚呼でふなといふ、義また不詳、漢語抄に乾魚おこつおといひ、鮬一名婢妾魚といふおせひといひて、今訛婢妾、謂妾婢巫と注せし例によらば、鮒魚おふなといひしも、其の音と訓とお合せ呼びしと見えたり、凡是等の類は、漢宇伝待し後、其字お取用ゆるに及びて、竟に我国の古よりいひし所の名は隠れしと見えけり、