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魚鑑

ふな〈○中略〉 昔近江の余吾の紅葉鮒(○○○○○○○○○)とて賞しぬ、今もその名残れり、即膳所侯上る所なり、世に琵琶湖(○○○)の産お上とす、俗に夏頃鮒(けころぶな/○○○)といふ、夏の頃その多くいづるおもつてなり、後誤りて源五郎ぶなといふ、その身扁きものおひはら、真ふなといひ上とす、身円く鯉の如きものおいおなるおといふ下とす、武州綾瀬川(○○○○○)のもの、大さ二尺にいたる味ひ美し、信州諏訪湖(○○○○○)のものも美し、