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渡辺幸庵対話
一かち鮭お祝義に用る事、都鄙共に同じ、是お考に其謂ある歟、太智度論に曰、魚母子お念して刀お経れ共不壊、三千の子中尽愛子、此心お以て見れば、子孫不断絶、相続の心お以、鮭お祝義に用る歟、
一干鮭媒お取には、干鮭お埋候得ば煤とれる也、扠切申にはひやかし不申候ても、庖丁の孤に油おぬり候て切候得ば、能切れる也、