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山家集

つくしにはらかと申いおのつりおば、十月一日におろすなり、しはすにひきあげて、京 へのぼせ侍、そのつりの縄はるかにとほくひきわたしして、とおる船のこのなはにあたり ぬるおばかこちかゝりて、がうけがましく申て、むづかしく侍るなり、その心およめる、 はらかつるおほわたさきのうけなはに心かけつゝ過んとそ思