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甲斐国志
百二十三/附錄五
産物及製造部
一年魚(/あゆ) 石禾川(○○○)に畜鸕鷀、捕魚こと、謡曲に載て、後世和歌に鵜舟の篝火と詠めり、即笛吹川(○○○)の事なり、今も国府村に州中川漁運上金の請負する者あり、此辺漁猟お専にせり、桂川(○○)、富士川(○○○)にて捕る者多し、毛智利と雲物お竹にて造り、藤の索にて釣り川中に浸し、俟魚下捕之、一挙して数千百頭お獲べし、早川の鮎は鼻曲りと名く、遡急流ゆえなりと雲、其余の川には多からず、塩蔵するお黒漬と雲、晒乾し縄に夾みたるも佳なり、松平甲斐守の時、八月の献上塩鮎なお、