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重修本草綱目啓蒙
二十九/魚
黄鯝魚 わたか わたこ
琵琶湖に多し、長さ七八寸、形にごろに似て扁く鱗小く、首小にして背高く、腹張り口小くして歯なし、鱮魚(たなご)の形に似て長し、又はすにも似たれども首大ならず、目上によらずして大なり、下の鰭赤黄色お帯ぶ、全身白色、背は微黒色、春末より出、五月に多し、煮食ひ或は鮓と為、肉に細刺多し、腹中に子満つ、子は色微ししらけて細かなり、此魚三寸以下なる者おせむしわたか(○○○○○○)と雲、一種のなわたか(○○○○○)は形大なり、闊さ四五寸、長さ一尺二三寸にして鯽魚の形の如し、