[p.1358]
物類称呼
二/動物
鰻鱧うなぎ 山城国宇治にてうぢまろ(○○○○)と雲、此魚の小なる物お京にてめゝぞうなぎ(○○○○○○)と雲、是はみゝずうなぎの誤也、江戸にてめそ(○○)と雲、上総にてかよう(○○○)と雲、又くわんよつこ(○○○○○○)とも雲、常陸にてがよこ(○○○)と雲、信濃にてすべら(○○○)と雲、土佐にてはりうなぎ(○○○○○)と雲、今按に京都にてうなぎお鮓となすは、宇治川のうなぎおすぐれたりとす、よつて宇治麻呂と人の名お以てす、江戸にては、浅草川、深川辺の産お江戸前とよびて賞す、他所より出すお旅うなぎと雲、又世俗に丑寅の年の生れの人は、一代の守本尊虚空蔵菩薩にて、生涯うなぎお食ふ事お禁ずと雲、〈○中略〉
海鰻(○○)うみうなぎ 畿内にて海うなぎ(○○○○)と雲、西国或は伊豆の熱海にてうみぐちなは(○○○○○○)と雲、摂州西宮海辺にてへんび(○○○)と雲、此魚海辺の穴の中にあり、漁人多く釣こと有、毒ありと雲伝て浜に捨、蛇に似て黄色に黒文有、