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春波楼筆記
駿州藤枝の駅に橋あり、川上三里に神の祠在り、其の辺の谷川の鰻魚は一方にのみ眼あり、此の神の使令とて人懼れて喰はず、予〈○司馬江漢〉長崎へ遊歷する時、藤枝より僕一人お連れたり、其の者此の鰻お喰ふに祟なし、