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鋸屑譚

泥鰌、俗に土浄とよぶは音の転訛なり、今按に作臛、生ながら投之釜中、撥々として飛出難以収之、きうに火ばしおもて釜の臍〈鋳留なり〉の処お圧ゆれば、すなはち無一有動揺者矣、此亦厭勝之奇術也、嘗聞之、京都某姓泥鰌お桶に入れ、畜ふこと十日計、一日当煮食而観之、悉化して為蠑蚖とかや、