[p.1400]
東雅
十九/鱗介
鱸すヾき〈○中略〉 我国太古の世にありて、魚名聞えし事、此物よりさきなるはあらず、されど又すヾきと雲ひし義の如きは聞ゆべくもあらず、〈(中略)出雲国風土記には、波多須々支といひ、旧事紀、古事記等の書には、口大之尾翼鱸と見えしによりぬれば、すヾきと雲ひし事の縁も、自ら明かなるにや、古語にすヾといひしは、小しきにして小しきなるお雲ひけり、其尾翼は口大きなるに及ばねば、かく名づけ雲ひしと見えたり、〉