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大和本草
十三/海魚
鱸魚 大なる者二三尺、三月以後七月まで肥ゆ、暑月多くして味よ、し、八月よりやする、夏秋さしみ鱠とし鮓とす、夏月腸の味よし、くもわたと雲腸あり、脂多く味よし、病人忌之、小なるおせいごと雲松江(せうがう)なるべし、中華松江の鱸は其大さ日本のせいごの如しと雲、中華の鱸は小なり、本草にのする処、長僅に数寸とあり、河鱸味猶よし、暑月の佳品なり、出雲の松江の湖の鱸味最すぐれたり、海と河との間にあるも味よし、漁人釣之、或戈にてつきてとる、鰷魚おせいごと訓ずるは非なり、鮴魚はあゆ也、せいごは小鱸也、