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藩翰譜
十二下/稲葉
紀通〈○稲葉〉京極丹後守高広が国に使して、其国に出ではべる鰤給るべきよしお乞ひしに、京極さる腹あしき人にて、稲葉は我領の土産乞ひ受けて、奉行頭人に送らん苞苴の料にこそすれ、ござんなれ、すべき様こそあれとて、鰤百一一に首うち切て送てけり、紀通大に怒て京極が家人の此所通らん奴、打つて此恨晴さん者おと待ち居たる、