[p.1448]
物類称呼
二/動物
比目魚、かれい、ひらめ(○○○)、 畿内西国ともにかれいと称す、江戸にては大なる物おひらめ(○○○○○○○○)、小なるものおかれい(○○○○○○○○○)と呼、然れども類同くして種異也、
常陸上総下総の浦々にて、大なるお鰈(かれい)といひ、小なるお平目(ひらめ)どいふ、江府の魚市に至る時は則 名お変ず、又ある漁子、此魚両種相偶して、洋中お游ぐ、頭、おならぶる時は、左右の違ひ有物なり といへり、貝原翁は、かれいといふは、かたわれ魚の略なりといえり、
越後にては、小なる物おこつぺら(○○○○)と呼、〈こびらめと雲の誤にや〉佐渡にて大なる物お、さかむかひ(○○○○○)と雲、江戸にて雲霜月びらめ(○○○○○)お、越後の糸魚川にて、あさば(○○○)となづぐ、江戸に雲ほしびらめ(○○○○○)お、駿河にて、まつかはびらめ(○○○○○○○)といふ、一種このはがれい(○○○○○○)と雲有、〈至て小なるものなり〉泉州にて岡田かれい(○○○○○)と雲、鞋底魚うしのした(○○○○○)一名くつぞこ(○○○○) 関西及東国の海辺にてうしのしたと称す、江戸にて舌びらめ(○○○○)と呼、備前にはくちげ(○○○)と雲、越前にてはゞがれい(○○○○○)と雲、