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一話一言
十一
めうがざめ(○○○○○)
安永六丁酉年秋中のことなりしが、相州小田原の海中へ大魚来る、其丈凡四五十間、横八九間ばかりにて、背に蠣とこぶしなど付てありしとぞ、名おめうがざめと雲よし、如何なる大舶にても、くつがへすと雲り、其頃は猟師も海へ出ざりしゆへ、甚不猟にてありしとぞ、〈池田氏雑記〉