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浪花の風
土地の人ははもお殊更に珍重し、骨切とて細かに庖丁目お入て、照り焼にしたる抔、専ら賞玩す、淡味にしてあしからざれど、江戸人の口には適せず、骨切よりも却て肉羹とせしもの美なり、夫も蒲鋒に作りしものは美なれども、こはくして老人の歯には合難し、はんぺん、また土地にてあんへんと唱ふるものに製せしは、大によろし、