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庖厨備用倭名本草
八/魚
鰕〈○中略〉 鰕味甘性温小毒あり、治病の功多し、陽道お壮にし、乳汁お下し、痘瘡お托出す、煮汁は風痰お吐す、羹にすれば鼈瘕お治す、五野雞病お主どる、小児の赤白遊腫にはつきくだきて付る、つきたヾらし膏となしては虫疽に付る、食禁、水田溝渠に生じたるは毒あり、鮓にしては猶毒あり、熱飯にて鮓にしたるも毒あり、死する時に鬚なきもの、腹下通黒のもの、煮て色白くなるもの皆毒あり食すべからず、小児も雞狗も食すれば、脚かヾまりてよはし、猫に食せしむれば腰かヾまる、病人多食すれば風気お動し疥お発す、
海鰕〈○中略〉 海鰕味甘性平毒あり鮓にして飛尸蛔虫お主どる、口中の甘�齲歯によし、頭瘡にもよし、疥癬風瘙身痒おさり、山蚊子人の肉に入たるお治す、初食して瘡発すれば則愈る也、