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雲萍雑志

伊豆駿河の海辺にて魚の海上にあつまり寄る時は、海のおもて一等高くなりて、浪お打ちよするお、なぶらともなぐらお打つともいへり、漁夫の詞なり、熊野にてもしよなぶらといへり、文字にかゝば潮魚群の義なり、なぶらは魚群なりなぶらといふ詞と同じ、