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倭訓栞
中編三/宇
うお 諸魚の化石(○○○○○)、日向国むかふ山の南海の辺に多し、本草に石魚とみえたり、石中に生魚のすむは、水お蓋へてしかり、近江大津の商家、遠江浜松の農家、東国に山寺お建立の時などの物語あり、肥前長崎の豪家に在しは、阿蘭人見出せりといひ、一侯家の所蔵は、和州釜口、山の住僧も親く観たりといへり、近年伊勢外宮の石垣お造りし時、豊宮崎文庫のむかひの山の石お破りたる時も出たりとぞ、