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閑田耕筆

海亀は尾のふさやかなるもの也(○○○○○○○○○○○○○○)、おのれはりま高砂の沖にて、水中におるお見たり、守興和尚の話に、このもの岸に登りて卵お産み、身おもてよく地お堅めて、人しらぬやうに構ふ、人も亦はゞかりて是おとらず、取れば崇りて、其年漁りても魚お得がたし、亀は竜王に次で、海中に勢ある物なればとかや、さて彼卵お埋み砦所の遠近おとめて、其年の波の高と低お占ふ、〈○下略〉