[p.1610]
古事記伝
三十二
かく蟹の事お賦し絡へるは、契冲も雲る如く、此時御饗の御肴に、此物の有つるに寄てなるべし、白梼原朝段の、大御歌に鯨およまし賜へるに同じ、〈○註略〉さて古に蟹お大御饌に用ひしことは、万葉十六なる為蟹述痛長歌にて知べし、〈三代実錄卅五に雲々、摂津国蟹〓、陸奥国鹿腊、莫以為贄奉御膳、〉