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重修本草綱目啓蒙
三十一/蚌蛤
蜆 しヾみ ちヾみ(○○○) ぜヽがひ(○○○○)〈江州〉 一名蜆〈通雅〉 〓子〈訓蒙字会〉 蟟〈八閩通志〉 〓〈同上〉 金錂口〈南寧府志〉 蜆函〈珠璣薮殻の名〉湖海倶に産す、又齦淡相雑はる処に生ず、江州湖中に最多し、勢田お名産とす、古歌には堅田の蜆お詠ずれども、今は勢田に多し、泥中に生ずるものは色黒し、しんでんしヾみ(○○○○○○○)〈江州〉と雲、これお烏蜆〈広東新語〉黒蜆〈同上〉と雲、大なるは八九分、久きものは両片禿て白し、沙中に生ずるものは色黄なり、あめ(○○)〈江州〉と雲、これお黄蜆〈広東新語〉と雲、広束勅語にも、在沙者黄、在泥者黒と雲へり、又しましヾみ(○○○○○)あり、色黄にして竪に黒道あ丿、粗細一ならず、又斑点あるものあり、又海中に産し、皺あらくして色白きものおさヾめと雲、白蜆〈広東新語〉なり、白蜆に同名あり、尋常のしヾみがらの久くなりて、黒皮自ら脱したるお、白蜆殻附方と雲、されしヾみからなり、