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重修本草綱目啓蒙
三十一/蚌蛤
海月〈○中略〉
附錄、海鏡、まどがひ(○○○○)、いたがひ(○○○○)、とうかヾみがひ(○○○○○○○)、とうろうがひ(○○○○○○)、〈○中略〉舶来あり、和産も肥前平戸にありと雲、其形円薄にして白色、外面は肌粗く、内面は滑沢なり、日に映ずれば紙の如し、大なる者は四五寸、小なる者一二寸、両片相合す、一片は正く平に、一片は微凹なり、平なる者お用て粗皮お刮り去り、鱗次して灯に粧ひ、以紙に代れば、紙より明なり、今琉人将来朱骨六稜の小灯あり、此殻お用ゆ、雨中に携へて損ぜず、煤汚に及べば、水にて洗へば、新なるが如し、〈○中略〉古説に海鏡おつきひがひと訓ずるは非なり、其介は南海二産す、大なる者は六七寸、小なる者は一寸に盈たず、形正円両片倶に微凹なれども、海鏡より深し、一片は深紅色、一片は潔白なり、故につきひがひと呼ぶ、唐山にても日月〈嶺南雑記〉と雲、一名日月殻〈清俗〉簟蠣、〈同上〉