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謡曲
葵上
〈大臣詞〉是は朱雀院につかへ奉る臣下也、扠も左大臣の御息女葵上の御物のけ、以外に御座候程に、貴僧高僧お請じ申され、大法秘法医療様々の御事にて候へ共、更に其験なし、ここに照日の神子とて、隠なき梓の上手の候お召て、生霊死霊の間お、あづさにかけさせ申せとの御事にて候程に、此由申付ばやと存候、やがてあづさに御かけ候へ、