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今昔物語
十一
玄昉僧正宣唐伝法相語第六広継、悪霊と成て、且公お恨み奉り、且は玄昉が怨お報せむと為るに、彼の玄昉の前に、悪霊現じたり、〈○中略〉天皇極く恐させ給て、吉備大臣は、広継が師也、速に彼の墓に行て、誘へ可〓き也と仰せ給ければ、吉備宣旨お奉、西に行て、広継が墓にして誘へ陳じけるに、其の霊して、吉備殆しく可被領かりけるお、吉備、陰陽の道に極たりける人にて、陰陽の術お以て(○○○○○○○)、我が身お怖れ無く固めて(○○○○○○○○○○○)、勤に〓誘ければ、其霊止まりにけり、