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傍廂
前篇
庚申狂歌千蔭〈○加藤〉大人の別荘にて、庚申祭の夜、季鷹大人お招かれて、千蔭翁のよめる歌、 食物も女も好ける季鷹の得さる(○○)物こそ酒にしありけれとあるに、季鷹翁のかへしに、 耳はいとちかげに見ゆれど蘆若の江去(○)舟とや遠ざかるらん、とよまれたり、