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頭書長暦

土に入る次第、先づ小土お以て吉日とする子細は、四季共に天赦日より入り初る(○○○○○○○○○)の謂なり、雖然小土の内には、臨産の時、其遊行の方へ向ふ事お〓(いむ)なり、猶犯土にも、遊行の方おば可慎之、次に、大土とは、土公神、本宮の地中に在故、勿論犯土に深くきらふ也、但し此時節お産生に不宜と雲ふも、中央の土に比したる胎内お騒動するに依て也、若し生月に至て無拠時は、土に入る前日より、産湯の水お汲置て、産生の時可遣之、扠其穢水おば土の終る迄、器に貯置て土の内には地中に不溢お習とす、次に又簠簋及古板の本文に夏冬の大土小土は大小の文字、伝写の誤にて、反覆したるお、今ま改之、此の義は、月に大小のある如く、日数の多分なるお以て大土とし、其少分なるお以て少土と知ること、是分明の説なり、尚お又異説の次第も以下に断之、