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古今要覧稿

うけ、むけ、うけ、むけは、元陰陽家の説にて、暦法にあづからざる事なり、然れども世俗専ら称することなれば、貞享の頃より、仮名暦に書載ることゝはなりぬるとぞ、さてうけとは有気と書て、己が性の年に旺するおいふ、たとへば木性の人は、酉年八月酉日酉上刻有気に入て、七年の間は有気なり、むけとは、無気と書て、木性の人は、辰年三月辰日辰上刻無気に入て、五年の間はむけとて虚耗に属するなり、余は下にみえたり、〈貞享暦法通書、及循環暦、 但し昔より如斯通用すといへども、根元は十二運の盛衰お以、五性に配せるものゆえに、一性の運、両年相続のことはあれども、五七年続くべきことは有まじきよし、循環暦にみえたり、〉然るお有卦無卦と書は仮借なり、