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続古事談
一王道后宮
堀川院御時の消遥に、序代かくべき人なかりけり、大業蔵人国資無才の者にて人ゆるさず、五位蔵人時範かきてけり、其日、主上、殿上にて、人々に連句いはせ給けるに、国資に、末句いへと被仰ければ、今日わたくしの衰日也、はヾかりありと申ければ、主上、殿上の暦お召て御覧ずるに、巳日也、巳日衰日いまだなき事也(○○○○○○○○○○○)、君おあざむき申、連句いはぬほどのもの、いかでか博士になるべきと被仰ける、今も昔も無才の博士はあるものなりけり、