俗簡焚余

二

己丑〈○文政二年〉正月岩村異学之禁去年中、家相見、天文者等、御領内へ入込、妄説申唱候処、御家中士分之内にも、相談致し候輩有之由相聞へ候、一体星暦之学は、其職業之外は、心掛候に及ばず儀、況て身元不慥之者、右様之事に寄せ、人お迷はし候儀不少事に候、去々年以来、文武稽古事、厚く御世話も有之候へば、御家中之面々、御趣意お守り、相励み、其他に及び候暇有之間敷筈に候、就中老分之輩、稽古世話被仰付置候ものゝ内にも、相談いたし候者有之哉に候、左候而は、年若之者ども、心得違も出来候間、向後不束之儀無之様、一統心掛可申候、右之趣、御家中面々へ、不洩様可被申達候、以上、 月日 連名 大御目付中 去年〈○文政十一年〉中怪敷家相観、天文者等、御領分〈江〉入込申候に付、向後左之通、売卜者、観相者、祈禱者、怪敷天文者之類、此後御領内へ参り候はヾ、猥に為致止宿間敷候、猶伊勢熱田両御師、其外古く参り来候神職僧侶等は格別に而候、若又身元慥なるもの歟、又は内縁等有之、止宿為致度存候ものは、其筋へ相断、可任指図候、右之通、御領分中、不洩様可被相触候、以上、 月日 連名 御勝手御用人中 郡 奉 行 中 〇