市中取締類集

九の七十八

卯〈○天保十四年〉九月廿日来る、即日ひれ付いたし差出す、 書面、改暦序文之儀は、元文宝暦完政度之振合にも有之候義に付、彫刻之義被御聞置可然哉 に奉存候、 卯九月 北市中取締掛来辰暦、〈○天保十五年〉御前文書入之儀申出候趣申上候書付、 館市右衛門 来辰暦板行被仰付候拾壱人総代 小兵衛〈外壱人〉 書物掛 小網町名主 伊兵衛右申立候は、今般御下被成下候来辰御写本暦之儀、御改暦御前文有之、右は元文、宝暦、完政度、何れも御前文共板刻仕候に付、此度も右例に随ひ、御前文入、開板仕候心得に有之、則古暦三通相添、来辰暦雛形奉入御覧置候段申出候、 但雛形、綴暦に有之、猶折本は格好見計可書入旨、右則差出候一元文五申年綴暦壱冊 一宝暦六子年暦折本一冊 一完政十午年綴暦壱冊 并今般草稿且為御見合、平年板行当卯暦折本、綴暦、大形、小形とも壱通宛、差上申候、右之通御座候、先例有之上は、右申立之趣、御聞置被成下可然哉と奉存候、依之此段申上候、以上、 卯九月 館市右衛門ひれ付書面、向方元締掛より申上候通に而可然哉に奉存候、卯九月廿日 南市中取締掛